観葉植物に生えてきたキノコ

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観葉植物にキノコが生えてきたら危険?!原因と対処法を解説

観葉植物にキノコが生えるのはなぜ?原因を特定しよう

結論から言うと、観葉植物にキノコが生えること自体は、必ずしも危険というわけではありません。

しかし、キノコが生えるということは基本的に観葉植物の生育環境に何らかの問題がある可能性を示しています。
キノコは植物のように光合成を行うわけではなく、土壌中の有機物などを栄養源として成長する菌類です。
そのため、キノコが生育できる環境というのは、観葉植物にとって必ずしも理想的な環境とは限りません。

ここでは、観葉植物にキノコが生えてしまう主な原因を詳しく解説し、それぞれの原因が観葉植物にどのような影響を与える可能性があるのかを説明していきます。

原因1.土壌の過湿状態

キノコは、じめじめとした湿度の高い環境を非常に好みます。
観葉植物の土壌が常に湿っている状態は、キノコにとってまさに天国のような環境であり、キノコが生えやすくなる最大の原因と言えます。

水のやりすぎは、土壌を過湿状態にする最も一般的な原因です。
特に、受け皿に水が溜まったまま放置していると土壌が常に水分を吸収し続けてしまい、過湿状態が常に起こってしまいます。
水を与えて受け皿から出てきた水は、常に清掃するなど手入れを欠かさないようにしましょう。

また、水はけの悪い土を使用している場合にも注意が必要です。
粘土質の土や目が細かすぎる土は、水が土の中に留まりやすく、過湿状態を引き起こしやすくなります。
土壌が過湿状態になることで観葉植物の根が呼吸できなくなり、根腐れを起こす可能性があります。
根腐れは、観葉植物の生育を阻害するだけでなく、最悪の場合、枯れてしまう原因にもなります。

原因2.有機質の多い土

キノコは、土壌中に含まれる有機物を栄養源として成長します。
有機物とは、具体的には落ち葉や枯れ木、動物の死骸などが分解されたものです。
腐葉土や堆肥は、有機物を豊富に含む代表的な例です。
これらの有機物は植物の生育に必要な栄養素を供給するため、適量であれば観葉植物にとって有益です。

しかし、有機物が多すぎるとキノコなどの菌類が繁殖しやすくなり、キノコが生える原因となります。
市販の観葉植物用培養土にも有機物が含まれていることがありますが、その配合量は製品によって異なります。
有機質の多い土壌は、キノコが生えやすいだけでなく、コバエなどの害虫が発生しやすくなる可能性もありますので注意しましょう。

逆に言うと、キノコが生えるだけでなく、コバエなどもあわせて発生しているという場合には、土が原因であるという可能性が非常に高いと言えます。

原因3.風通しの悪さ

風通しが悪い場所では、土壌の表面が乾きにくく、湿度が高い状態が維持されやすくなります。
特に、鉢が密集している場所や、部屋の隅、窓から離れた場所などは空気が滞留しやすく、注意が必要です。
風通しが悪いと、土壌の表面だけでなく鉢の中の湿度も高くなり、キノコが生えやすい環境を作り出してしまいます。

また、風通しの悪さはカビの発生にもつながります。
カビは観葉植物の葉や茎に付着し生育を阻害するだけでなく、アレルギーの原因となることもあります。

観葉植物を健康に育てるためには、風通しの良い場所に置くことが大切です。

原因4.胞子の飛来

キノコは、胞子によって繁殖します。
キノコの胞子は非常に小さく、風に乗って空気中を漂っています。
屋外から飛来した胞子が、観葉植物の土壌に付着し発芽することがあります。
これは、ある意味で避けようがない原因とも言えます。

しかし、土壌の環境がキノコにとって好ましいものでなければ、胞子が付着しても発芽し、成長することは稀です。

つまり、キノコが生えるということは土壌の環境がキノコにとって好ましい状態になっている、観葉植物にとっては何らかの問題がある状態になっている可能性が高いと言えるでしょう。

観葉植物に生えるキノコの種類と危険性

観葉植物に生えるキノコの種類は非常に多く、そのすべてを正確に特定することは専門家でも難しい場合があります。
しかし、一般的に観葉植物によく見られるキノコには、いくつかの特徴的な種類があります。

ここでは、それらのキノコの種類と、それぞれの危険性について解説します。
重要なことは、観葉植物に生えたキノコは食用キノコと似ている場合であっても、絶対に食べないことです。
毒キノコである可能性があるため、非常に危険です。

コガネキヌカラカサタケ(黄色いキノコ)

コガネキヌカラカサタケ
観葉植物に生えるキノコとして、最もよく知られ、目にする機会が多いのがコガネキヌカラカサタケです。
このキノコは、鮮やかなレモンイエロー色をしており、比較的小型で、傘が開くと平らになるのが特徴です。

観葉植物の鉢に突然現れるため、非常に目立ちます。
コガネキヌカラカサタケは幸いなことに、触れる程度であれば人体に害はありません。

しかし、このキノコには毒性があり、誤って食べてしまうと消化器系の症状(吐き気、嘔吐、下痢など)を引き起こす可能性があります。
小さなお子さんやペットがいる家庭では、特に注意が必要です。

シメジに似たキノコ

観葉植物の鉢に、シメジのような形をしたキノコが生えることもあります。
しかし、一口に「シメジに似たキノコ」と言っても、その種類は多岐にわたり正確な種類を特定することは非常に困難です。

中には食用可能なキノコもあるかもしれませんが、毒キノコである可能性も否定できません。
特に、野生のキノコには、猛毒を持つ種類も存在します。
素人判断で食用と判断するのは非常に危険です。
観葉植物に生えたキノコは、すみやかに処分し、どのような種類であっても絶対に食べないようにしましょう。

カビと間違えやすいキノコ

キノコの中には、成長の初期段階や、種類によっては、カビと見分けがつきにくいものがあります。
特に、白や緑色でフワフワとした綿毛のようなものが土壌の表面に現れた場合、カビの可能性を疑う必要があります。

しかし、それがキノコの菌糸である可能性も否定できません。
カビとキノコは、どちらも菌類であり、湿度の高い環境を好むという共通点があります。

カビは、アレルギー症状や呼吸器系の疾患を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
もしカビが生えてしまった場合は、換気を良くし、土壌の表面を乾燥させるようにしましょう。
キノコかカビか判断がつかない場合は、早めに専門家に見てもらうか、植え替えなどの対処を行うことをおすすめします。

キノコが生えた時の対処法|放置しても大丈夫?

観葉植物にキノコが生えてきた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

小さなキノコであれば、そのまま放置しても観葉植物に大きな影響はない場合もあります。
しかし、前述の通り、キノコが生えるということはその土壌環境がキノコにとって適した状態になっている、つまり観葉植物にとって良い状態ではない可能性があります。
ここでは、キノコを見つけたときの具体的な対処法と、放置した場合に考えられるリスクについて解説します。

キノコを取り除く

観葉植物に生えているキノコを見つけたら、まずはキノコ自体を取り除くことから始めましょう。
キノコは胞子を飛ばして繁殖するため、放置するとさらに増えてしまう危険性があります。
キノコを取り除く際は必ず手袋を着用し、ティッシュやピンセットなどを使って、キノコを根元からそっと抜き取るようにします。

このとき、キノコを強く掴んだり無理に引き抜いたりすると、胞子が周囲に飛び散ってしまう可能性があります。
胞子が飛び散らないように、できるだけ静かに、慎重に作業を行うことが重要です。

取り除いたキノコは、ビニール袋などに入れて密封し、可燃ゴミとして処分しましょう。
また、キノコを触った後は必ず手を洗ってください。

土の表面を入れ替える

キノコを取り除いた後には、土壌の表面を数センチ程度処分する、または新しい土と入れ替えることをおすすめします。

これは、土壌の表面付近に残っている可能性のあるキノコの胞子や菌糸を取り除くためです。
古い土をスコップやスプーンなどで取り除き、新しい観葉植物用の土を補充します。

このとき、鉢底石や鉢底ネットがずれていないか確認し、必要であれば調整しましょう。
土の表面を入れ替えることで、見た目もきれいになり、キノコの再発を予防する効果も期待できます。

土壌を乾燥させる

キノコが生えた原因が土壌の過湿である場合は、土壌を乾燥させることが最も重要な対処法となります。

水やりをしばらく控え、観葉植物を風通しの良い場所に移動させましょう。
直射日光は避け、明るい日陰で管理します。
土壌の表面が完全に乾いてから、次の水やりを行うようにしましょう。

また、受け皿に水が溜まっている場合は、必ず捨ててください。
受け皿に水が溜まったままになっていると、土壌が常に湿った状態になり、キノコが再発しやすくなります。
土壌の乾燥を促すためには、割り箸などを土に挿して、土中に空気の通り道を作るのも効果的です。

薬剤を使用する

キノコが繰り返し生えてくる場合や、広範囲にわたって発生している場合は園芸用の殺菌剤の使用を検討することもできます。
殺菌剤は、キノコの菌糸や胞子を死滅させる効果があります。
ただし、薬剤の使用は、観葉植物の種類や状態によっては、悪影響を及ぼす可能性もあります。
必ず、使用する薬剤の説明書をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。

特に、小さなお子さんやペットがいる家庭では、薬剤の使用には十分な注意が必要です。
薬剤を使用したくない場合は、天然成分由来の防カビ・抗菌スプレーなどを試してみるのも良いでしょう。

植え替えを行う

上記の対処法を試してもキノコが繰り返し生えてくる場合の最終手段としては、観葉植物の植え替えを行うことをおすすめします。

植え替えは、キノコの発生源となっている古い土を完全に取り除き、新しい土に交換することで、キノコの再発を根本的に防ぐことができます。
植え替えの際は、鉢から観葉植物を優しく取り出し、根を傷つけないように注意しながら、古い土をできるだけ落とします。
新しい鉢に、鉢底石、鉢底ネットを敷き、新しい観葉植物用の土を使って植え付けます。
植え替え後は、水やりを控えめにし、明るい日陰で管理しましょう。

植え替えは、観葉植物にとって大きなストレスとなるため、適切な時期(一般的には春か秋)に行うことが大切です。

キノコの発生を予防する!観葉植物の育て方

観葉植物にキノコが生えてしまうのは、土壌環境がキノコにとって好ましい状態になっていることが主な原因です。
つまり、キノコの発生を予防するためには、日頃から観葉植物の生育環境を適切に管理することが最も重要になります。

ここでは、キノコが生えにくい環境を作るための具体的な観葉植物の育て方のポイントを解説します。

適切な水やり

観葉植物の水やりは、キノコの発生を予防する上で最も重要なポイントの一つです。
多くの観葉植物は、過湿を嫌います。
土壌が常に湿っている状態は、キノコだけでなく、根腐れの原因にもなります。

水やりの基本は「土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。
土の表面が乾いているかどうかは、指で土に触れて確認するのが確実です。
土が指に付かない、または、少し湿っている程度であれば、水やりのタイミングです。

季節や観葉植物の種類によって、水やりの頻度は異なります。
夏場は乾燥しやすく、冬場は乾燥しにくい傾向があります。
また、生育期には水を多く必要とし、休眠期には水をあまり必要としません。
観葉植物の種類ごとの特性を理解し、適切な水やりを心がけましょう。

水やり後に受け皿に溜まった水は、必ず捨てるように意識してください。

水はけの良い土を使う

観葉植物の土は、水はけの良いものを選ぶことが大切です。
水はけが悪い土は、水分が土の中に長く留まり、過湿状態を引き起こしやすくなります。
市販の観葉植物用培養土は、あらかじめ水はけが良くなるように、 さまざまな種類の土がブレンドされています。

例えば、赤玉土、鹿沼土、パーライト、バーミキュライトなどが、水はけを良くするために配合されていることが多いです。
自分で土をブレンドする場合は、これらの素材を参考に、水はけの良い配合を心がけましょう。

また、鉢底に鉢底石を敷くことも、水はけを良くするために効果的です。

風通しを良くする

風通しの良さは、キノコの発生を予防するだけでなく、観葉植物の健康を維持するためにも非常に重要です。
風通しが悪いと、土壌の表面が乾きにくく、湿度が高い状態が続いてしまいます。

また、空気の循環が悪くなることで、病害虫が発生しやすくなることもあります。
観葉植物は、できるだけ風通しの良い場所に置くようにしましょう。
窓際や、ベランダなどが理想的ですが、室内に置く場合は、サーキュレーターや扇風機などを利用して空気の流れを作るのも効果的です。

ただし、エアコンの風が直接当たる場所は、観葉植物が乾燥しすぎてしまうため、避けるようにしましょう。

定期的な植え替え

観葉植物は、成長するにつれて鉢の中が根でいっぱいになり、根詰まりを起こしやすくなります。
根詰まりを起こすと、水はけが悪くなり、キノコが生えやすい環境になってしまいます。
また、土壌中の栄養分も不足してきます。

そのため、定期的な植え替えが必要です。
植え替えの頻度は、観葉植物の種類や成長速度によって異なりますが、一般的には1~2年に一度が目安です。
植え替えの際は、一回り大きな鉢に新しい土を使って植え替えます。
植え替えは、観葉植物の生育期である春か秋に行うのが最適です。

植え替えを行うことで、土壌環境がリフレッシュされ、キノコの発生を予防するだけでなく、観葉植物の生育を促進する効果も期待できます。

まとめ|キノコが生えても慌てずに対処しよう

観葉植物にキノコが生えてくると、驚いてしまうかもしれませんが、必ずしも慌てる必要はありません。
キノコが生えること自体は、観葉植物に直接的な害を与えるわけではない場合も多いです。
むしろ、キノコそのものよりも、キノコが生えて育ってしまう土壌環境の方に何らかの問題がある可能性が高いです。

この記事で解説してきたように、キノコが生える原因は土壌の過湿、有機質の多さ、風通しの悪さ、そして胞子の飛来などが考えられます。

もしキノコが生えてしまった場合は、まずキノコを丁寧に取り除き、土の表面を新しい土と入れ替えましょう。
そして、土壌が過湿状態であれば、水やりを控え、風通しの良い場所に移動させて乾燥させることが大切です。
それでもキノコが繰り返し生えてくるようであれば、園芸用の殺菌剤の使用や、最終手段として植え替えを検討しましょう。

最も重要なことは、日頃から観葉植物の生育環境を適切に管理することです。
適切な水やり、水はけの良い土の使用、風通しの確保、そして定期的な植え替えを行うことで、キノコの発生を未然に防ぐことができます。

キノコが生えてしまったとしても、それは観葉植物からのSOSサインと捉え、適切なケアを行うことで、より長く、より美しい姿を楽しめるようにしましょう。

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