オーガスタはどのくらい大きくなる?成長の速さと最終樹高
オーガスタの自生地での大きさ
オーガスタ(ストレリチア・ニコライ)は、マダガスカルなどの熱帯地域を原産とする植物です。自生地では、高さ10mを超える巨木に成長することもあります。
バナナの葉に似た大きな葉を広げ、その堂々たる姿は、まさに「大きな木」という印象です。
ただし、自生地での大きさは、あくまで生育に適した環境下での話です。
日照、気温、湿度、土壌など、様々な条件が揃って初めて、オーガスタは本来の大きさにまで成長することができます。
自生地では幹が立ち木質化しますが、日本で観葉植物として流通している株の多くは、幹が太くなる前に流通しているため木質化した幹を見ることは稀です。
観葉植物としての一般的なサイズ
観葉植物として流通しているオーガスタは、高さ数十cmの小さなものから、2mを超えるものまで、様々なサイズがあります。
一般的に、リビングなどに置かれる大型の観葉植物としては、1m~2m程度のものが人気です。
鉢植えで育てる場合は、自生地のように10mを超える巨木になることはまずありません。
しかし、適切な環境下で育てれば、数年でかなり大きく成長することもあります。
そのため、購入時には、将来の成長を見越して、置き場所や鉢のサイズを検討する必要があります。
成長を促進する要因(日当たり、水やり、肥料など)
オーガスタの成長を促進する主な要因としては、日当たり、水やり、肥料、そして温度が挙げられます。
オーガスタは、日当たりの良い場所を好みます。
十分な日光を浴びることで、光合成が活発に行われ、葉の色が濃くなり、丈夫に育ちます。
ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、レースのカーテン越しなど、柔らかい光が当たる場所に置くのが理想的です。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。
特に生育期である春から秋にかけては、水切れに注意が必要です。
ただし、過湿は根腐れの原因になるため、水のやりすぎには注意しましょう。
冬場は、生育が鈍るため、水やりは控えめにします。
肥料は、生育期である春から秋にかけて、2ヶ月に1回程度、緩効性の固形肥料を与えるか、2週間に1回程度、液体肥料を与えます。
肥料を与えることで、葉の色が鮮やかになり、生育が促進されます。
ただし、肥料の与えすぎは、根を傷める原因になるため、注意が必要です。
そのほか、生育に適した気温は20℃~30℃程度です。
オーガスタが大きくなりすぎた!と感じるサイン
鉢底から根が出ている
鉢底から根がはみ出しているのは、オーガスタが大きくなりすぎているサインの一つです。これは、根が鉢の中でいっぱいになり、窮屈な状態になっていることを示しています。
根が鉢底から出ている状態を放置すると、根詰まりを起こし、生育が悪くなる可能性があります。
根詰まりを起こすと、水や栄養を十分に吸収できなくなり、葉が黄色くなったり、枯れたりすることもあります。
また、根が鉢底の穴を塞いでしまうと、水はけが悪くなり、根腐れの原因にもなります。
鉢底から根が出ていたら、早めに植え替えを検討しましょう。
葉が大きくなりすぎてバランスが悪い
オーガスタは、成長するにつれて葉が大きくなります。葉が大きくなりすぎる、葉の数が多すぎると、株全体のバランスが悪くなり、見栄えが悪くなることがあります。
また、葉が大きすぎると、風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなることもあります。
葉が大きくなりすぎてバランスが悪いと感じたら、剪定を検討しましょう。
剪定をすることで、株全体のバランスを整え、風通しを良くすることができます。
また、剪定によって、新しい葉の成長を促すこともできます。
天井に届きそう
オーガスタは、成長すると高さが2mを超えることもあります。
天井に届きそうになるほど大きくなると、見た目の圧迫感があるだけでなく、管理も大変になります。
水やりや葉水などの作業がしにくくなるだけでなく、日当たりや風通しが悪くなることもあります。
天井に届きそうなほど大きくなったら、剪定や植え替え、株分けなどの対処を検討しましょう。
そのまま放置すると、生育が悪くなるだけでなく、倒れてしまう危険性もあります。
置き場所に困る
オーガスタが大きくなりすぎると、購入時に想定していた置き場所に収まらなくなることがあります。
特に、リビングなどの広い空間に置いていた場合は、他の家具とのバランスが悪くなったり、生活動線の邪魔になったりすることもあります。
置き場所に困るようになったら、剪定や株分けでサイズを小さくするか、より広い場所に移動させることを検討しましょう。
どうしても置き場所がない場合は、残念ながら手放すことも考えなければならないかもしれません。
オーガスタが巨大化した時の3つの対処法
【対処法1】剪定:適切な時期と方法
剪定に適した時期
オーガスタの剪定に適した時期は、生育期である5月~9月頃です。この時期は、オーガスタの成長が旺盛で、剪定によるダメージからの回復も早いためです。
冬場は、オーガスタの生育が鈍るため、剪定は避けた方が良いでしょう。
剪定に必要な道具
オーガスタの剪定には、以下の道具が必要です。
- 清潔な剪定バサミ(またはナイフ)
- 癒合剤(切り口に塗る保護剤)
- 手袋
- 新聞紙など(床を保護するため)
剪定バサミは、切れ味の良いものを使用しましょう。
切れ味の悪いハサミを使うと、切り口が潰れてしまい、そこから雑菌が入りやすくなります。
また、使用前にハサミを消毒することも大切です。
剪定の手順
- まずは、枯れた葉や黄色くなった葉を取り除きます。これらの葉は、根元から切り落としましょう。
- 次に、全体のバランスを見ながら、不要な葉や茎を剪定します。
混み合っている部分の葉を間引くように剪定すると、風通しが良くなります。 - 高さを抑えたい場合は、好みの高さで茎を切り戻します。
太い茎を切る場合は、癒合剤を塗って、切り口を保護しましょう。
剪定後のケア
剪定後は、直射日光の当たらない明るい日陰で管理し、水やりは控えめにします。
新しい葉が出てきたら、徐々に通常の管理に戻していきましょう。
剪定によって、一時的に生育が衰えることがありますが、しばらくすると新しい芽が出てきます。
【対処法2】植え替え:大きな鉢への植え替えでさらに成長させる?
植え替えのメリット・デメリット
オーガスタが大きくなりすぎた場合、一回り大きな鉢に植え替えることで、さらに成長を促すことができます。
しかし、植え替えには、メリットだけでなくデメリットもあります。
メリットとしては、根詰まりを解消し、生育環境を改善できること、より大きく育てることができることが挙げられます。
デメリットとしては、植え替え作業に手間がかかること、
さらに大きくなるため、将来的に置き場所に困る可能性があること、
根を傷めてしまうリスクがあることなどが挙げられます。
植え替えの時期と手順
オーガスタの植え替えに適した時期は、生育期である5月~9月頃です。
植え替えの手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢と、新しい用土を用意する。
- 鉢底に鉢底石を敷く。
- 鉢に用土を少し入れ、オーガスタを置く高さを調整する。
- オーガスタを鉢から抜き、古い土を軽く落とす。
- 傷んだ根があれば、ハサミで切り落とす。
- 新しい鉢にオーガスタを置き、周りに用土を足していく。
- 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、受け皿に溜まった水は捨てる。
注意点:大きすぎる鉢は逆効果
オーガスタを植え替える際は、大きすぎる鉢を選ばないように注意しましょう。
大きすぎる鉢は、土が乾きにくく、根腐れの原因になります。
また、根が鉢全体に広がるまでに時間がかかり、生育が遅れることもあります。
一回り大きな鉢を選ぶのが基本です。
【対処法3】株分け:小さく仕立て直す方法
株分けのメリット・デメリット
株分けは、オーガスタを小さく仕立て直すことができる方法です。
増えすぎた株を整理し、新たに複数の株として育てることができます。
また、株分けをすることで、それぞれの株の生育環境が改善され、より元気に育つことが期待できます。
デメリットとしては、株分け作業に手間がかかること、根を傷めてしまうリスクがあること、
株分け直後は、生育が一時的に衰えることがあることなどが挙げられます。
株分けに適した時期
オーガスタの株分けに適した時期は、生育期である5月~9月頃です。
株分けの手順
- オーガスタを鉢から抜き、古い土を軽く落とす。
- 根を傷めないように注意しながら、手で株を2~3株に分ける。
ハサミやナイフを使用する場合は、消毒してから使いましょう。 - 分けた株を、それぞれ新しい鉢に植え付ける。
- 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、受け皿に溜まった水は捨てる。
株分け後のケア
株分け後は、直射日光の当たらない明るい日陰で管理し、水やりは控えめにします。
新しい葉が出てきたら、徐々に通常の管理に戻していきましょう。
株分けによって、一時的に生育が衰えることがありますが、しばらくすると新しい根を伸ばし、元気に育つようになります。
オーガスタの成長をコントロールする方法
剪定で樹形を維持する
オーガスタの成長をコントロールする最も効果的な方法は、定期的な剪定です。剪定をすることで、樹形を整え、大きくなりすぎるのを防ぐことができます。
剪定の時期は、生育期である5月~9月頃が適しています。
剪定の際は、清潔なハサミを使用し、切り口から雑菌が入らないように注意しましょう。
枯れた葉や黄色くなった葉は、根元から切り落とします。
また、混み合った部分の葉を間引くように剪定すると、風通しが良くなります。
高さを抑えたい場合は、好みの高さで茎を切り戻します。
ただし、一度にたくさんの葉を切ると、株に負担がかかるため、注意が必要です。
全体のバランスを見ながら、少しずつ剪定するようにしましょう。
水やりを控えめにする
オーガスタは、乾燥に強い植物です。水やりを控えめにすることで、成長を緩やかにすることができます。
特に、冬場は、オーガスタの生育が鈍るため、水やりは控えめにしましょう。
土の表面が乾いてから、さらに数日待って水やりをするくらいがちょうど良いでしょう。
ただし、極端な水不足は、葉が枯れる原因になるため、注意が必要です。
土の状態をよく観察し、適切な水やりを心がけましょう。
水やりをする際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにします。
肥料を調整する
肥料は、植物の成長を促進する効果がありますが、与えすぎると、かえって生育が悪くなることがあります。
オーガスタの成長をコントロールするためには、肥料の量を調整することが大切です。
生育期である春から秋にかけては、2ヶ月に1回程度、緩効性の固形肥料を与えるか、2週間に1回程度、液体肥料を与えます。
ただし、肥料の与えすぎは、根を傷める原因になるため、注意が必要です。
特に、窒素分の多い肥料は、葉ばかりが茂り、幹が太くなりにくくなるため、避けましょう。
冬場は、基本的に肥料は与えないようにしましょう。
日当たりを調整する
オーガスタは、日当たりの良い場所を好みますが、日当たりが良すぎると、葉焼けを起こしたり、成長が早まりすぎたりすることがあります。
オーガスタの成長をコントロールするためには、日当たりを調整することも有効です。
特に、夏場は、直射日光を避け、レースのカーテン越しなど、柔らかい光が当たる場所に置くようにしましょう。
また、日照時間が長すぎると、成長が早まりすぎるため、必要に応じて、日陰に移動させるなどの対策を取りましょう。
逆に、冬場は、できるだけ日光に当てるようにしましょう。
鉢のサイズで成長を抑制する
植物の成長は、鉢の大きさに影響されます。
オーガスタを小さな鉢で育てると、根の成長が制限され、地上部の成長も緩やかになります。
そのため、オーガスタの成長をコントロールするためには、あえて小さめの鉢で育てるという方法も有効です。
ただし、小さすぎる鉢は、根詰まりを起こしやすく、生育が悪くなることがあります。
また、水切れを起こしやすくなるため、水やりには注意が必要です。
鉢のサイズを選ぶ際は、植物の大きさに合わせて、適切なサイズを選ぶようにしましょう。
根詰まりを起こしている場合は、生育期に植え替えを行いましょう。
【まとめ】オーガスタの大きさに合わせた管理で、長く楽しもう!
オーガスタは、バナナのような大きな葉が魅力的な観葉植物ですが、成長が早く、大きくなりすぎることもあります。
しかし、適切な対処法を知っていれば、オーガスタの大きさをコントロールし、長く楽しむことができます。
オーガスタが大きくなりすぎたと感じたら、剪定、植え替え、株分けなどの方法で対処しましょう。
それぞれの方法には、メリットとデメリットがあるため、オーガスタの状態や、あなたの目的に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
また、剪定、水やり、肥料、日当たり、鉢のサイズなどを調整することで、オーガスタの成長をコントロールすることも可能です。
これらの方法を組み合わせることで、オーガスタを理想の大きさに保ち、健康的に育てることができます。
オーガスタは、適切な管理をすれば、何年も、場合によっては何十年も楽しむことができる植物です。
ぜひ、この記事で紹介した情報を参考に、あなたのオーガスタを長く、美しく育ててください。
そして、オーガスタのある暮らしを存分に楽しんでください。
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